専用測定車を導入します
報告:事務局
ふくしま再生の会が行っている道路上の空間線量測定は、大きく分けて2種類あります。
- 飯舘村から委託を受けた村内モニタリング事業
- ふくしま再生の会のボランティアによる全村測定
村内モニタリング事業
飯舘村役場からの委託事業です。
- 測定者:各行政区の村民測定員
- 測定車:村民の自家用車
- 測定器:GPSガイガー
- 測定頻度:月2回
飯舘村には20の行政区があります。各行政区に住む村民測定員が、自分が住む行政区の道路を自家用車で走って測定します。村の事業ですので測定員には測定費が支払われています。
測定器のGPSガイガーは、線量率とGPS位置情報を、内蔵するSDカードに記録します。これをデータベースに登録して線量マップを作成しています。線量マップは、村民に提供されているタブレット端末およびインターネットで公開されています。インターネットで公開されている線量マップはこちら。
ふくしま再生の会による全村測定
ふくしま再生の会に参加するボランティアが測定しています。
- 測定者:ふくしま再生の会の活動に参加するボランティア
- 測定車:再生の会の自家用車、測定者の自家用車など。
- 測定器:3インチNaIモニタ、5インチNaIモニタ(高エネルギー加速器研究機構提供:KEK)
- 測定頻度:月1回
ボランティアによる測定です。KEKにご提供いただいている高感度測定器を使用して、月に1回の頻度で全村の測定を行っています。測定結果はモニタリング事業の測定と同様にデータベースに登録され、同じマップ上で公開されています。
現状の課題と改善策
現在の測定には以下のような課題があります。
- 測定車の車種が測定員ごと異なるため、車両ごとに遮蔽率が異なり、異なる校正値を使う必要がある
- モニタリング事業の測定範囲と再生の会の全村測定の範囲が重複している
- 全体に線量が低下してきており(1μSv/h以下の場所も)GPSガイガーでは感度が十分ではなくなってきている
- 測定データがSDカードに記録されるため、ここからデータベースに登録する作業やSDカードの管理が煩雑
これらの課題を解決するために、専用の測定車を導入し、2つの測定業務の運用を一本化していくことにしました。
今後の運用
従来は測定員の自家用車を使っていたところに専用の測定車を導入します。これにより自動車ごとの遮蔽率の違いがなくなり、より安定した測定が可能となります。
専用測定車の導入にあたっては、スズキ、スズキ自販福島のご協力をいただき格安で車両を提供していただき、購入の資金は三井物産環境資金の助成金を充てました。
2台の測定車にはKEK提供の高感度測定器を積載し、携帯回線を通じて随時自動的にデータベースへの登録を行います。
村のモニタリング事業と再生の会のモニタリングでルートの重複をなくし、余力を使って飯舘村だけでなく周辺の線量も測定していく予定です。