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若者の力、シニアの経験を世界の被災地「ふくしま」へ
●試験栽培したさつまいもの分析結果について
昨(2012)年の夏、鹿児島県の薩摩中央高校から宗夫さんにさつまいもの苗が寄贈されました。この苗を使って、事故以前はきゅうりの栽培をしていたビニールハウス跡でさつまいもを栽培し、セシウムの移行を試験することにしました。
試験栽培したさつまいもの放射性セシウム濃度の測定結果がまとまりましたのでご報告します。
ビニールハウスには、事故当時はビニールがかかっておらず、セシウムなどの放射性物質を含む雪が土の上に降った場所です。
田植えと並行してビニールハウス内にさつまいもの栽培ベッドを整備し、田植えが終わった後の7月14日に苗を植えました。
栽培方法
ハウスの幅5.4mの表土5㎝を中央部に集め、高さ約20㎝×幅1m×長さ36mの栽培ベッドを作りました。
土壌中のカリウムの量が、さつまいもに取り込まれる放射性セシウムの量に影響を与えるかどうかを確認するために、カリウムの施肥に変化をつけました。
全量区の肥料はN-3kg P-10kg K-10kg (10a)で、Kを半量とした区、Kをゼロとした区を設けました。
ハウス入り口(写真の手前)から
また、全区画に石灰を散布しました。
測定方法
10月21日に区画別に収穫したさつまいもは、たわしでよく水洗した後、約5mm角に刻み、それぞれ1kgを1L容器に入れ、NaI測定器で測定しました。
測定結果
いもの測定結果は、以下の表のとおりとなりました。
測定結果(いも)
区画 | 肥料N-P-K | サンプル名 | 作成日 | 測定日 | 放射性Cs (Bq/kg) |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3-10-10 | い1 | 10月28日 | 11月8日 | 21(*) |
2 | 3-10-5 | い2 | 10月28日 | 11月8日 | 6 |
3 | 3-10-0 | い3 | 10月28日 | 11月8日 | 9 |
4 | 3-10-10 | い4 | 10月28日 | 11月8日 | 8 |
5 | 3-10-5 | い5 | 10月28日 | 11月8日 | 6 |
6 | 3-10-0 | い6 | 10月28日 | 11月8日 | 8 |
【参考】
区画3から収穫したいもつるを自然乾燥させた後、葉と茎に分けて測定しました。
測定結果(茎・葉の乾燥重量濃度)
区画 | 肥料N-P-K | サンプル名 | 作成日 | 測定日 | 放射性Cs (Bq/kg) |
---|---|---|---|---|---|
3 | 3-10-0 | つ3茎 | 10月28日 | 11月8日 | 131 |
つ3葉 | 10月28日 | 11月8日 | 508 |
なお、栽培ベッドの栽培前の土壌の放射性セシウム(Cs134+Cs137)濃度は、10,000-16,000Bq/kg(湿土壌、暫定値)です。
結果
放射性セシウムのさつまいもへの移行は非常に低く、いずれも25Bq/kg以下(1つの試料を除くと10Bq/kg未満)でした。
また、カリウム施肥の効果は確認できませんでした。
今年も試験栽培を実施し、さらに続的な試験が必要と考えています。
補足(2013年4月27日)
土壌の放射性Cs濃度について、訂正のご報告をします。暫定値では10,000~16,000Bq/kgとしていましたが、精密測定の結果、乾燥重量で6,000~8,000Bq/kgとなり暫定値と比較してかなり低めであることがわかりました。
採取場所 | 採取日 | 測定日 | 湿重量(g) | 乾燥重量(g) | Cs134 (Bq/kg) | Cs137 (Bq/kg) | Cs4137+Cs137(Bq/kg) | 平均(標準偏差) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(1) | 2013/3/3 | 2013/3/14 | 122.9 | 84.9 | 2,909 | 5,065 | 7,974 | 7,023 (865) |
(2) | 2013/3/3 | 2013/3/14 | 131.9 | 90.7 | 2,271 | 4,013 | 6,284 | |
(3) | 2013/3/3 | 2013/3/14 | 79.7 | 55.8 | 2,616 | 4,194 | 6,810 |
(栽培後の圃場において、(1)川(南)側、(2)中央、(3)県道(北)側から採取)