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若者の力、シニアの経験を世界の被災地「ふくしま」へ
海外から日本に留学する留学生の団体Global Voices from Japanが主催した「Talk In: Fukushimaの再生」を共催しました。このイベントは飯舘村と工学院大学(東京)、立命館大学(京都)をSkypeでつなぎ、飯舘村の生の声を日本に留学する学生と日本人学生に伝えることを目的として行われました。飯舘村からは菅野宗夫さんと田尾さんが参加。Skypeの映像が途中で途切れるなどのトラブルがありましたが、学生からは予想を超える活発な質問や意見があり、「何か」が届いたということが実感できる会となりました。
Ustreamで録画をご覧いただけます。2時間30分と長時間ですが、お時間があればぜひご覧ください。
http://ustream.tv/channel/talk-in-fukushima
今回は、東大の溝口教授、久保教授、西村准教授ら福島復興農業工学会議のメンバーと協力し、4つの実験プロジェクトが進められました。
(1)山林における定点観測用の観測ポストの取り付け、(2)山の斜面を流れる表土のサンプリング、(3)水田の遮蔽効果測定実験、(4)霜柱による土壌放射能の移動測定実験です。
定点観測用の観測ポストは、山林の特定ポイントに放射線量や気象データなどを観測記録するモニタリングポストを設置し、経時変化を調査しようとするものです。現在の主な汚染源となっているセシウム134・137の物理的な半減期はそれぞれ約2年と約30年ですが、実際の環境における線量の変化は、気候の影響を受けますので、実際に測定してみないとわかりません。
観測ポストは長期間にわたって線量とともに気象データを収集することにより、その関係を調査しようとするものです。
山の斜面を流れる表土のサンプリング調査は、上記の調査と関係しており、雨によって流される表土(おもにセシウムが付着している層です)の量と放射能を調べることによって、セシウムがどの程度移動していくのかを調査するのが目的です。
水田の遮蔽効果測定実験とは、現在は耕作されていない水田に水をはった状態にしたときに、水の遮蔽効果で周辺の線量を低減できるのではないかという動機に基づくもので、水位によって線量がどのように変化するかを測定しました。
残念ながら日没までに十分な水位に達せず、この日は結果を得ることができませんでした。次の機会にリトライします(それにしても、この日は風が強く寒かった!)。
霜柱による土壌放射能の移動測定実験とは、霜柱が立つことにより、地表面付近のセシウムを多く含む土壌層が持ち上げられる(剥離しやすくなる)のではないかという推測に基づくものです。予備的な調査として霜柱が立つときの土中の環境変化を測定するためのセンサー(温度、水分、電気伝導度)とデータ記録装置を取り付けました。
一方、放射線計測班は、この日も山に入り線量を計測しました。吉澤さんが開発中の携帯型GPSモニターのフィールドテストも兼ねています。今回計測したのは、飯舘村中央にある「矢岳山」です。飯舘村の汚染の一般的なパターンは、南東の方向にある福島第一原子力発電所から流れてきた放射性雲(プルーム)が山の斜面に当たって定着したため、南斜面の汚染度が高いのですが、この山では少し様子が異なり、南側斜面より東側斜面に線量の高い箇所があるということがわかりました。
(報告:小川)
12月11日(日)13時から東京・西新宿の工学院大学で「ふくしま再生の会報告会」が開かれました。
ふくしま再生の会としては、8月18日(木)に文京シビックセンターで開かれた報告会以来の会合で、会員以外の方にも呼びかけた報告会としては初めてのものです。福島から菅野宗夫さん千恵子さんご夫妻と大石ゆい子さんを迎え、参加者は当初の予想を超えて60名あまり、定員70名の教室はほぼ満席となりました。
(菅野さんは飯舘村でふくしま再生の会の活動拠点をご提供くださっている方、大石さんはふくしま再生の会と飯舘村の出会いを作ってくださった方です。その経緯は田尾さんのブログ参照。)
冒頭、田尾さんから会の活動全般についての報告があり、次に菅野宗夫さんから3月11日から現在にいたるまでの経過報告と現在の被災者が置かれている状況についての報告がありました。
生きがいを奪われ、村へ帰れるのか帰れないのか、どちらともつかない宙ぶらりん状態で将来の方針も示されず、誰もが精神的に追い詰められているという宗夫さんの報告に、原子力災害の特殊性と厳しさ、それに対応できないわが国の政治・社会の無力さを改めて感じさせられました。
この後行われた各プロジェクトの報告は以下のとおりです。
これらは「活動報告」のページでも部分的にご報告してきましたが、こうして各プロジェクトの計画と成果をまとめて報告するというのは初めてのことで、初めて参加された方ばかりでなく、プロジェクトメンバーにとっても全体を見渡せる良い機会になったと思います。
討論の時間、「飯舘村で暮らしてきた80歳、90歳のおじいさん、おばあさんが仮設住宅のような環境では、外へ出るな、大きな声を出すなと言われてしまう。どうやって生きていったらいいんですか。お金はもちろん重要だけど、これは人間の尊厳の問題でしょう」福島のことばで訥々と語られる菅野千恵子さんの抑えきれない怒りには胸を突くものがありました。
事務局の大永さんからの活動報告まとめおよび会計報告で報告会を終了、その後、多くの参加者が懇親会にも出席されました。
菅野宗夫さん、千恵子さん、ご出席いただきありがとうございました。もっと知恵を絞り、体を動かし、声を上げていきます。今後ともよろしくお願いします。
(報告:小川)